杉並で、障害当事者の自立生活実現をめざす取組みの紹介です。


by tukurukai
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サービス利用時、相互の「信頼・安心」の命は、
「報告・連絡・相談」をすごく大事にすること、と




今年のご相談で、障害福祉サービスなどの利用でご本人・家族から切実な訴えがありました。それはいずれも、相互に信頼した関係を求め、そのカギが「報告・連絡・相談(ほうれんそう)」を求めるものでした。以下、
その声をお知らせします。

◇重度者サービス提供での願い

重度重複障害者は、その通りにできないから重度。そのことを知らない一般の人には、知らん顔をされる。
なるべく少ない人の中で、間違いがないように援助してもらいたいことが、最小限の願い。
行動援護サービスをしている事業所が少なく、ここしかないから頼んでいるが、制約や条件を言って来てい。本人の行動は、治らないから障害者。親は謝ることばかり。
何回も発信しているのに時間など間違ってばかり。ヘルパーなど来る予定が来なくなったり、間違えると、パニックになる。いきなり初めての人が来て、いきなり間違える。相談もしていないことを繰り返している。
そのことによる本人と家族への影響をもう少し配慮してほしい。
人が少ないのかもしれないが、支援者間での情報共有、工夫をしてもらえないのか、と思う。支援者が変わっ
たりすれば、また同じことを繰り返すのか、あきらめるしかないのか。
本人が使える選択肢がないのだから、せめて間違わずにやって欲しい。
家庭への報告・連絡・相談をして欲しい。

◇サービス利用継続での願い

サービス施設を利用してきた。しばらく前にパニックがあり、職員からきびしく言われたが、もう少し様子を見させてほしい、考える、と伝えた。
ごく最近、文章で契約を解除し、入院か、入所施設利用をと示された。
医師は、すぐに入院の必要はないとのこと。入所施設はこれまで考えたことがなく、行くと永久に行ったきり
になるのではないかと不安になる。
気持としては、親の高齢化でずっと見られる自信がない、いずれ考えなくては、と思うが、物を運ぶような、猶予を与えない行動を感じた。
もっと本人情報、施設情報があれば事前準備ができた。

◇サービス利用開始での願い

自分は簡単にできるとは思っていないが、出来ることを少しでも増やしたい。やらないことには進まないと考えている。
複数の選択肢がある時、どちらの方法についても細かい内容を聞かないと判断できない。説明前から「できないでしょう」「だめ・無理」との言葉では否定されていると感じる。

・・・・・・・・・・・・

3つの事例は、サービスを利用し支援を受ける立場の方々の声です。そして共通した願いは、「報告・連絡・相
談」。世の中で事業を行う者にとって基本中の基本の事柄です。
当所も該当する基本項目、自己姿勢を点検しつつですが、利用者・家族の声を伝えさせていただき、プラスとなることを期待しています。
# by tukurukai | 2013-04-15 22:04 | 支援センターすだちでは

すだちシンポジウム2013

すだちシンポジウム2013の実施報告


毎年恒例のすだちシンポジウムを今年は「支援が多く必要な方の意思決定支援とサービス等利用計画」と題して開催しました。
延べ140名の方に出席して頂きました。
始め1時間の講演には上智大学総合人間科学部社会福祉学科の大塚晃教授に御講義頂きました。
印象に残った項目は左記の通りです。

●ノーマライゼーションとは障害者を「普通」あるいは「正常」にすることではなく、最も制約の少ない環境を整備することや市民として受け入れられる事である。
●権利擁護を考える前に障害者に関わる人は「エンパワメント」「アドボカシー」の2つから支援をする事である。
●体験していないことの意思決定をするのは困難であり、意思決定の範囲を広げていく支援をする事が重要である。
●ご両親や入所施設職員の様な本人との距離が近い人々は最大の権利擁護者であり、最大の権利侵害者になる場合もある。
●本人中心の計画と自己決定支援においては、本人を取り巻く支援者が少ないよりは多い方が良い。

難しい内容が多く組み込まれていましたが、自閉症のご子息との体験談を交えながらわかりやすく説明して頂きました。

◇すだちの里すぎなみから
つぎに社会福祉法人東京都知的障害者育成会杉並育成園すだちの里すぎなみ施設長仁田坂より「すだちの里すぎなみの地域移行の現場から」と題した発表がありました。
実際に入所施設から地域のケアホームに移行した方の事例を基に施設ごとの個別支援計画や相談事業所が関わるサービス等利用計画作成の説明や本人の変化した様子を順を追っての説明がありました。

◇支援センターすだちから
「ご本人も意思の表出が難しく更に保護者と支援者の関係の構築が難しくなかなかサービス利用などが安定しない事例」「本人の表出している訴えと本人の状態にかなりの開きがあり、支援の進め方を模索している事
例」の2事例を発表しました。その後杉並区障害者施策課の山田氏にも参加頂き後半はパネルディスカッションを行いました。
支援センターすだちの発表では難しい事例を話しましたが、サービス等利用計画の重要性やそれに伴う会議の必要性をお伝えしました。
今後に向けた討議が出来たのではないかと思います。
# by tukurukai | 2013-03-26 22:58 | 支援センターすだちでは
4月1日からのセンターすだちの業務と体制です

【中心業務】
障害福祉サービス利用に必要な「サービス等利用計画作成とモニタリングの実施」となります。
(特定指定・児童指定・地域移行と定着の指定を受けています)
生活にかかわる基本の相談もお受けします。

【その他の業務】
①社会適応支援事業(義務教育終了後の方の発達障害者支援)
②24時間安心サポート
③クラブ活動
④地域連携 地域ネットワークへの参加もします。

〇運営時間は午前9時30分~午後6時30分

〇休所日は
 毎月 第2・4 土曜日、第1・3 日曜日
 年末12月28日~年始1月3日

〇4月の職員体制
(相談)佐藤、下田、矢島
(専門)仲本作業療法士、武藤心理士
*地域相談支援センター高円寺 
  八木沢・市川
# by tukurukai | 2013-03-25 23:14 | 支援センターすだちでは
相談支援部会の取り組みについて
                              相談支援部会部会長
                              相談支援事業所なでしこ 島川稜子

1.はじめに
相談支援部会は平成19年3月、区に出された「杉並区地域自立支援協議会設置要綱」第6条により設置され、同年5月からの準備会を経て、7月より月1回の割で開催された。構成メンバーは相談支援事業所・就労機関・福祉事務所・保健センター等の12名で発足した。現在は、特別支援学校の特別支援教育コーディネーター、こども発達センターが加わり14名で活動している。これまでの相談支援部会の取り組みについては下記の通り。

2.第1期(H19年度~H20年度)の取り組みについて
【平成19年度】
●目的:区内相談支援事業者間のネットワーク構築及び相談のマネジメント力を高める。
目標を「現在行われている相談・支援内容を分析し、相談支援としてすべきこととそのために必要な社会資源を検討する」として、障害特性が異なる事例の検討を行なう。そこから見えた課題として、相談支援においてはネットワーク構築とマネジメント力の向上、又①発達障害者の支援②高齢障害者への支援③GH等世話人へのバックアップ体制の必要性が挙げられた。初年度の取り組みから、杉並区の現状と課題のいくつかが明らかになる。

【平成20年度】
●前期の目的:障害福祉計画の改定を視野に、地域のニーズを把握し区に提案する。
障害福祉計画の改定を視野に、相談支援の現場は1つの事業所では支援の難しい事例が多くなっている現状から、課題解決には障害者を地域で支える仕組み作りの必要性を提案し、「相談支援事業者と各関係機関のネットワーク作り」「個別支援会議」の重要性を挙げる。
また「高齢者の地域生活のあり方」についても提案し、これについて障害者が介護保険制度に移行するにはケアマネとの連携が不可欠であることを確認した。
●後期の目的:地域の資源を知り、地域の課題についてグループ活動を行なう。
地域移行促進部会との連携を強化する取り組みと共に、地域の課題についてグループ討議し下記の3つの課題を取り上げる。また、引き続き見学会を通して社会資源を知る取り組みも行なった。
①発達障害者への相談支援
②高齢障害者への支援(サービスの違いによる困難さ、高齢の困難さ)
③学齢期の障害児を抱えた家族の相談支援

  第1期では上記、相談支援の基本的な資質アップのために、地域の社会資源の把握を行うと共に、日常の相談から「①発達障害者への支援」「②高齢障害者への支援」「③学齢期の家族支援」を課題として確認した。

3.第2期(H21年度~H22年度)の取り組みについて
【平成21年度】
●目的:相談支援事業から見える地域の課題解決のためのネットワーク構築
19年度20年度の活動から出された3つの課題への支援を整理し、解決方法を探る。
 ①発達障害者への支援
  ・地域での継続した支援方法について検討
 ②高齢障害者への支援
  ・サービスの違いや高齢による困難に対して
  ・地域のネットワーク構築について
  ⇒介護保険制度の学習会や事例検討を行ない、「ケア24との交流会」を実施。
 ③学齢障害児を抱えた家族への支援
  ・支える家族への支援について
  ・支援を含め地域の資源について
加えて、社会資源見学や地域移行促進部会・ケア24との交流会や活動を通して、相談支援の力量の向上と地域のネットワーク構築に取り組む。

【平成22年度】
 ●目的:相談支援事業から見える地域の課題解決のためのネットワーク構築 
引き続き、課題にそって下記の3つのワーキンググループに分かれて活動する。
A「高齢障害者への支援」をテーマに、事例検討と「ケア24との交流会」を実施。
B「学齢障害児を育てる家族への支援」をテーマに関係施設見学、放課後資源についての調査を実施し、本会に課題整理の報告と提言を行った。
C「GHの利用者への支援」、GH世話人情報交換会との交流会やGH見学を実施。
  なお「発達障害者への支援」に関しては、平成22年度から「社会適応支援事業」を試行するなど個別支援の枠を超えた取り組みを始め、平成23年度からは事例検討を実施。

 第2期では上記、1期の課題からそれぞれに検討を進め、①成人期の発達障害の状況把握と事業の施行が開始され、②高齢障害者対応についてケア24との交流が図られるようになり③学齢期の支援として一貫した相談のしくみの必要性も明らかになった。また、GH世話人との交流を通し、障害者の人権と支援のあり方についての議論も始まる。

4.第3期(H23年度~H24年度)の取り組みについて
【平成23年度】
●目的:相談支援事業から見える地域の課題解決のためのネットワーク構築
前期の課題に沿い事例検討を中心に、5回の活動を行う。相談支援事業所連絡会(月1回、区障害者生活支援課主催)と活動(関係機関との交流)を分けながらもリンクし、下記の課題について、3つのワーキンググループに分かれ事例検討と意見交換を行なった。
①「学齢期を育てる家族への支援」として、“小中高とつなぎの支援をした事例”と“済美養護学校での個別支援会議の取り組みの成果と課題”について事例報告と意見交換を行なった。
②「地域の障害者虐待予防システムを考える」をテーマとして、平成24年10月施行の『障害者虐待防止法』にあわせ、こども家庭支援センター・ケア24との連携事例から児童・高齢の虐待システム、障害者虐待について事例報告と意見交換を行なった。
③「高齢障害者の支援と支援者の連携」をテーマに、今回で3回目となる「ケア24との交流会」を開催し、各制度の狭間で当事者の方々が混乱しやすい視覚・精神障害の事例を通し、双方の制度の違いや地域での互いの役割を認識し、理解を深め、連携を図った。

【平成24年度】
    別紙(相談支援部会)3を御参照下さい。

5.最後に
  これまでの相談支援部会の活動を通して、区内の具体的な課題が見え、その課題解決に向けて相談支援事業所が何をすればいいのか、検討を重ねてきた。未だ課題解決には至っていないが、これまでの継続した部会の活動は課題解決に向けてネットワーク構築への足がかりとなっている。平成25年度より相談支援体制は変わるが、今後も引き続きメンバーそれぞれが毎日の相談に真摯に向き合い、課題改善とネットワーク構築のため、関係機関との連携を深めていく必要があると思われる。
# by tukurukai | 2013-03-03 22:39 | 自立をめざす活動

すだちシンポジウム2013

すだちシンポジウム2013
支援が多く必要な方の意思決定とサービス等利用計画

2012年度から2014年度までに障害福祉サービスを利用している方全員を対象に「サービス等利用計画」を作成する事が決まりました。
生活の質を向上する為に本人の要望をどのようにニーズに反映させるか、意思決定をどのように判断するか等シンポジウムを通じて考えてゆきたいと思います。

<日時>
2013年3月7日(木) 13時30分~16時40分

<場所>
産業商工会館3階ホール
住所: 杉並区阿佐谷南3-2-19
交通: JR中央線阿佐ヶ谷駅より徒歩5分
東京メトロ丸の内線南阿佐ヶ谷駅より徒歩3分

<参加費> 無料

<スケジュール>
13時30分~開会のあいさつ
13時35分~講演 上智大学総合人間科学部社会福祉学科教授 大塚晃氏
14時50分~発表杉並育成園すだちの里すぎなみ
施設長仁田坂和夫
杉並障害者自立生活支援センターすだち
相談員下田一紀
相談員八木沢由香
15時20分~休憩

15時35分~シンポジウム
ファシリテーター佐藤弘美(支援センターすだち)
シンポジスト大塚晃氏
山田隆史氏(杉並区障害者施策課)
仁田坂和夫
下田一紀
八木沢由香
16時35分~閉会のあいさつ

<申込先>
杉並障害者自立生活支援センターすだち
TEL:03-5310-3362 FAX:03-5310-3561

<主催> 杉並育成園すだちの里すぎなみ
       杉並障害者自立生活支援センターすだち
       東京都知的障害者育成会
# by tukurukai | 2013-02-20 22:59 | 支援センターすだちでは